天候や自然現象によって釣果は大きく変わっていきます。今回は釣り師のためのフィールド学をまとめてみます。
魚は天候や季節、自然現象に敏感です。
釣りをするとき事前に天気や河川の状況、水量や水温、濁り等を調べることは大事なファクターです。
天候や川の状況によって釣果も変わりますし、魚の活性も大きく変わってきます。
ここでは環境の変化によって魚たちにどのような変化があるか説明していきます。
なお(内水面)淡水で、ルアーフィッシングを対象とした説明です。
まずは季節や水温の変化による魚の行動について見ていきましょう。
冬の渓流で釣りをする勇敢な人はあまりいないと思いますが、中には冬シーズン銀世界で釣りをする猛者もいます。
真冬の魚は産卵行動によって弱った体を休めるために水深のある緩やかな流れでじっとして休んでいます。
また外気温が氷点下になるので、それに伴い川の水温も夏とは比べ物にならないぐらい下がります。
氷点下近くの水温だったり、3~4℃ぐらいだったり非常に低い水温になります。
鱒(トラウト)の適正水温は10~16℃ぐらいです。鱒の種類によって多少前後もあれば、比較的冷水性を好む鱒もいますが、大体の目安と考えていただければ幸いです。
上記適正水温を見ていただければ真冬の鱒は寒さに耐え、体の動きも鈍くなります。夏にあんなにファイトしてくれていた魚も冬はパワーが出ません。
そして早春から初夏にかけて鱒が大量に捕食する陸生昆虫や水生昆虫も冬は著しく減ります。
初夏、夏、河畔林から落下した陸生昆虫や蛾の幼虫などは鱒の胃内容物の3~4割ほどです。
残りの割合が水生昆虫や魚類の餌食に依存しています。
上記胃内容物による餌食依存率から、冬は魚がいるが釣れない、ルアーに反応しないことが多いです。
次は冬から春に変わる季節です。
春は雪も解けて水温も上がり、水生昆虫や陸生昆虫の動きが活発になります。
もちろん魚は黙ってないです。
冬の間ほとんど餌食していなかったので、エネルギーを蓄えるためにたくさん餌食します。
ルアーにもよく反応するし、冬よりもパワーがあります。ここで大事なのは、いくら適正水温じゃなくても徐々に水温が上がってくれば魚たちも少しずつ元気になってくるのです。
そして春も終わり初夏に変わります。
初夏から真夏までは魚が非常に元気でパワフルなシーズンです。
外気温、水温の上昇によって陸生昆虫、水生昆虫の動きが活発になるのはもちろん、それぞれ鱒の適正水温に近くなりますので積極的に餌食活動をします。
河畔林からの落下昆虫や、水生昆虫が羽化(ハッチ)するために、魚は水中、水面直下を冬とは比べ物にならないほどに意識するようになります。
しかし真夏になると水温の上昇が激しく、本流、渓流でも20℃を超す川はざらにあります。
そうなってくると魚はより涼しい場所を求めて上流に移動したり、木の陰に集まったり、日差しが当たらない場所に移動したりします。
夏にかけて釣りをするときは、水温計で水温を計り、ある程度の魚の活性目安を知りましょう。
そして、秋になると水温も徐々に下がっていき、産卵のために体にエネルギーを蓄えますので、それなりにルアーにも反応します。
管理人は北海道ですので春夏秋冬、比較的長期間釣りできますが、道外だと禁魚期間が秋頃に設定されてる場合がありますので、この時期は一日を大事に釣りをしてくださいね!あっという間に時間が過ぎますので。
続いて天候による魚の活性や、変化について説明していきます。
晴れ
川の水温によっても変わります。基本的に夏の水温が高い時期の魚は日差しを嫌います。
水温が高い、日差しで暑い、のダブルパンチですので、魚は木の日陰や流れのある深み、水中の流木の下等に移動することが多いです。
ですので晴天の釣りではストラクチャーやオーバーハングを狙ってみるとHITしやすいと思います。
しかし寒い時期で外気温や水温が徐々に上がり始めている季節は晴れによる恩恵がありますのでちょっぴり魚の活性が良くなることがあります。
雨の日は衣服も濡れるし、道も悪いしで釣り人にとっては良い天候でないことが多いですが、魚にとって実は良いんです。
その要因は色々ありますが、水面を叩いた雨によって水中に溶存酸素が増え魚にとって居心地が良くなれば、雨による川の濁りで人間によるプレッシャーを少なくしてくれることもあれば、曇り空と雨のダブルコンボで薄暗くなり魚の警戒心を下げてくれたりします。
あまりにも濁りが酷いのは例外ですが・・・よく雨の日が釣れると言われますが、明確な原因はまだ分かっていません。
しかし様々な方が上記の現象で釣果の差を感じているのは事実ですので覚えておいて損はないでしょう。
さらには気圧も関係しているとも言われています。気圧が上がっているときは魚の活性が上がると言われています。こちらも明確な原因はまだ分かっていないですが、気圧の上昇により水中の溶存酸素が増え活性が上がるらしいです。
前記事のキャッチ&リリースの記事でも書きましたが、魚のエラのスーパ機能を考えるとまんざらでもありません。そして水量の変化ですがこちらも見逃せません。
多少の増水であれば流れが速くなりそれによって水生昆虫が流される割合が多くなり捕食が活発になったりします。
逆に渇水は今まであった良いポイントを潰したり、浅くなったことで我々の姿が魚に見やすくなったりとデメリットが多いです。一番いいのは通常より多少水量が多いくらいでしょうか。
豆知識・・溶存酸素量ですが、流れが速かったり、瀬や白泡がたっているポイントには多く含まれています。
ですので釣行の際そのようなポイントがあれば是非狙ってみてくださいね。
以上で説明を終わりますが、渓流、本流などで釣りをして、まさかここまで天候等で魚に変化があると思いませんでしたよね?
管理人も最初は全く気にも留めていなかったですが、意識してからは釣果にも差があり今では事前に天候等をチェックしています。
皆さんの参考になれば幸いです。
長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。
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